FreeCAD セットアップ手順書
FreeCADは、オープンソースの3Dパラメトリックモデリングソフトウェアです。製品設計、機械部品のモデリング、3Dプリント用データの作成が行えます。
企業の3D CADといえばSolidWorksが標準的な選択肢の一つです。しかし、簡素なモデルを素早く無料で生成したい場合、FreeCADは非常に有効な選択肢です。もちろん本格的なアセンブリや強度検証を行うならSolidWorksの方が適していますが、FreeCADは無料であるという点が最大の利点です。STEPやIGESなどの標準形式に対応しているため、SolidWorksとのデータ連携も可能です。
FreeCADは2002年から開発が続けられており、2024年11月にバージョン1.0に到達しました。20年以上かけて安定したリリースを迎えたことになります。現在の最新安定版は1.1.1です。完全無料で利用でき、試用期間や機能制限もありません。
この手順書では、FreeCADの概要とWindowsへのインストール手順を説明します。
FreeCADの概要
FreeCADの主な特徴は以下の通りです。
- パラメトリックモデリングに対応する。寸法や形状の履歴を保持し、後から変更が可能。
- STEP、IGES、OBJ、STL、DXF、SVGなど多くのファイル形式に対応する。SolidWorksで作成したデータの読み込みも可能。
- 2D図面の作成、3Dモデルからの図面展開ができる。
- アドオン管理機能により、コミュニティ製のモジュールやマクロを追加できる。
- Pythonスクリプトによる自動化やカスタマイズが可能。
- Windows / macOS / Linuxに対応する。
- 無料(LGPLライセンス)。商用利用も可能。
製造現場では、設備の簡易的な部品図面を起こす、3Dプリント用の冶具を設計する、既存部品の寸法を計測してモデル化するといった用途で活用できます。
インストール方法
動作環境
- OS : Windows 10 / 11(64bit)
- CPU : 64bit対応プロセッサ
- メモリ : 4GB以上(推奨8GB以上)
- ディスク空き容量 : 約1GB
ダウンロード
1. ブラウザで https://www.freecad.org/downloads.php にアクセスする。
2. ページ上部に「Current stable version: 1.1.1」と表示されていることを確認する。
3. 「Windows」セクションの「x86_64 installer」ボタンをクリックする。
4. インストーラ(約520MB)がダウンロードされる。
インストール
1. ダウンロードした .exe ファイルをダブルクリックして起動する。
2. インストーラの指示に従って進める。言語選択画面が表示されたら「日本語」を選択する。
3. インストール先フォルダはデフォルトのまま推奨。
4. インストールが完了したら「完了」ボタンをクリックする。
5. デスクトップに作成されたショートカット、またはスタートメニューからFreeCADを起動する。
初回起動とワークベンチについて
起動後、画面左上のドロップダウンからワークベンチ(作業環境)を切り替えて使用します。
代表的なワークベンチは以下の通りです。
| ワークベンチ | 用途 |
| Part Design | ソリッドモデルの作成(押し出し、回転、穴あけなど) |
| Part | 基本的な形状操作(ブーリアン演算など) |
| TechDraw | 3Dモデルから2D図面を生成 |
| Assembly | 複数の部品を組み立てる |
まずは「Part Design」から始めるとよいでしょう。
実際に使ってみた感想
筆者もFreeCADを実際にWindows 11にインストールしていくつかモデリングを試してみました。3Dモデリングツールとしては、過去にAutoCADがフリーで公開していた「123D Design」というソフトがあったのですが、あれと比べるとFreeCADのモデリングは圧倒的に操作性が良いとは言えません。123Dは直感的にプッシュプルで形状を作れて、あれはあれで非常によくできていました。ただ123Dは開発が終了してしまったので、今から使うならFreeCAD一択です。
FreeCADの最大の強みはパラメトリックモデリングに対応していることです。これは単に3D形状を作るだけでなく、「後から寸法を変えても形状が追従する」という点で非常に重要です。設備設計の現場を想像してみてください。ダクトの径を変えたい、架台の高さを変更したい、という修正は日常的に発生します。パラメトリックで作っておければ、寸法値を変更するだけで全体の形状が自動で更新されるので、一から作り直す必要がありません。これは設備設計図面のメンテナンス性を大きく向上させます。
とはいえ、学習コストはそれなりにあります。スケッチ→拘束→押し出しという一連の流れを理解するまでに多少の慣れが必要です。しかし一度覚えてしまえば、無料でありながらSolidWorksに近いパラメトリックモデリングの恩恵を受けられます。ホビー用途や個人製作レベルであれば、FreeCADで十分満足できるクオリティのモデルが作れると思います。製造現場の簡易冶具設計や3Dプリント用データ作成にも十分実用的です。
出典
- FreeCAD公式サイト: https://www.freecad.org/
- FreeCADダウンロード: https://www.freecad.org/downloads.php
- FreeCAD GitHub: https://github.com/FreeCAD/FreeCAD


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