ツール概要
LibreCADは、2次元CAD図面の作成に特化したオープンソースの無料ソフトウェアです。建築図面、機械部品図、配線図、レイアウト図など、あらゆる2D製図に対応します。QWATエンジンをベースとしており、直感的な操作性と軽快な動作が特徴です。
試作品の図面作成、工場レイアウトの設計、外注先に渡す製図データの作成などに最適です。
LibreOfficeとの関係は?
関係ありません。名前が似ているだけで、LibreCADとLibreOfficeは全く別のプロジェクトです。開発コミュニティも異なり、コードベースも共有していません。LibreCADは2DCAD、LibreOfficeはオフィススイートという違いもあります。
誰が作っているのか
LibreCADは、世界中のボランティア開発者によってコミュニティベースで開発されているオープンソースプロジェクトです。特定の企業が開発しているわけではありません。
元々は2010年頃、QCADのコミュニティエディション(無料版)2.0.5をフォークして「CADuntu」という名前でスタートしました。その後「LibreCAD」に改名され、現在も継続的に開発が進められています。最新の安定版は2025年1月リリースのv2.2.1です。
ライセンス形態
GPLv2(GNU General Public License version 2)で配布されています。
- 個人利用・商用利用ともに完全無料
- インストール台数の制限なし
- ソースコードの改変・再配布が可能
- サポートはコミュニティベース(公式フォーラムやGitHub Issues)
つまり、お金を払わなくても永久に使い続けられます。ライセンス費用の心配がないのは、予算の限られた現場には大きなメリットです。
対応ファイル形式
| 操作 | 対応形式 |
|---|---|
| 読み込み | DXF(R12〜最新), DWG(部分的・バージョン制限あり) |
| 書き出し | DXF, SVG, PDF, PNG, JPEG, BMP, WebP など主要な画像形式 |
ただし、DWGへの直接書き出しは非対応です。DWG形式でのやり取りが必要な場合は、一旦DXFで保存してから他のCADで開く必要があります。
インストール方法
- 公式サイト(librecad.org)にアクセスします。
- Downloadページからお使いのOSに対応するインストーラをダウンロードします(Windows版は.exe)。
- ダウンロードしたインストーラを実行し、セットアップします。
- Linuxの場合はパッケージマネージャからもインストール可能です(sudo apt install librecad)。
- インストール後、起動して日本語UIで使用できます。
動作環境
対応OS:Windows 10/11(64bit)、macOS 10.12以降、Linux(主要ディストリビューション)。
推奨スペック:CPUは1.5GHz以上のデュアルコア、メモリは2GB以上(4GB推奨)、GPUはOpenGL 2.0対応。軽量なソフトウェアのため、古いPCでも問題なく動作します。
使ってみた感想・レビュー
実際に使ってみた印象をいくつか挙げます。
良い点
- 完全無料で業務利用可能:ライセンス管理が不要。予算ゼロで導入できる。
- 軽量で古いPCでも動く:起動が速く、ストレスがない。
- DXF形式に対応:他CADとのデータ受け渡しが可能。
- レイヤー管理・ブロック機能:実務である程度使える機能は揃っている。
- マルチプラットフォーム:Windows・Mac・Linuxどこでも使える。
気になる点
- AutoCAD / IJCADとの操作感の違い:QWATエンジンベースのUIは、AutoCAD系に慣れた人だと戸惑う。コマンド体系も異なり、ショートカットを覚え直す必要がある。
- DWGの直接書き出し非対応:取引先がDWGしか受け付けない場合、変換の一手間がかかる。
- 3DCAD機能はない:あくまで2D専用。3Dが必要ならFreeCADなど別のツールが必要。
- 日本語情報が少なめ:コミュニティベースのため、商用CADほどチュートリアルやQ&Aが充実していない。
- 複雑な図面では動作が重くなることも:数千のオブジェクトを含む大規模図面では、スクロールや拡大縮小がもたつく場合がある。
どのようなシーンで使えるか
AutoCADの正規ライセンスは年額20万円以上、IJCADでも年額5〜8万円程度かかります。「図面をちょっと修正したいだけ」「開いて寸法を確認したいだけ」という場面で、毎年ライセンス料を払い続けるのは正直もったいない。
そういうときにLibreCADは有効です。DXFで受け渡せば、ビューワとしても簡易編集としても使えます。もちろん機能も操作性もAutoCADの代替にはなりませんが、「ライセンスのないPCで図面を開いて確認したい」「外注先に渡す前に軽く修正したい」といった用途には十分です。
とはいえ、私の周りでも実際にLibreCADを実務で使っている人は見たことがありません。現場ではAutoCADかIJCAD、もしくはFreeCADやメーカー純正のCADソフトが主流です。やはりDWGの直接入出力や互換性の壁がネックになっているのが実情でしょう。しかし無料で使える2DCADとして、選択肢の一つとして覚えておいて損はないツールです。
こんな人におすすめ
- とりあえず無料で2DCADを試したい
- 予算がないけどDXFを編集したい
- Linux環境でCADを使いたい
- 簡単な図面・レイアウト図を作る用途がメイン
こんな人には不向き
- AutoCAD / IJCADと完全同じ操作性を求める
- DWG書き出しが必須の取引先とやり取りする
- 大規模なプロジェクト図面を日常的に扱う


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