はじめに Everythingとは
Everythingは、Windows上のファイルやフォルダを一瞬で検索できる超高速ファイル検索エンジンです。NTFSファイルシステムのMFT(Master File Table)を直接読み取る方式を採用しており、Windows標準の検索では数分かかるような大規模データも、Everythingなら入力と同時に結果が表示されます。
大量の図面ファイル、仕様書、プログラムを共有サーバーやHDDから探す現場では、ファイル名を数文字入力するだけで目的のファイルを即座に特定できます。本記事では、Windows標準の検索との違いを中心に、Everythingの活用法を解説します。
Windows標準の検索との違い なぜこんなに速いのか
Everythingが圧倒的に速い理由は、検索の仕組みが根本的に異なるためです。
Windows標準の検索 インデックスサービスに依存
Windows標準の検索(エクスプローラの検索ボックス)は、OSの「インデックスサービス」に依存しています。検索対象のフォルダをあらかじめインデックス化し、そのデータベースを検索する仕組みです。
しかし、このインデックスはすべての場所を自動でカバーするわけではなく、インデックス化されていない場所(共有フォルダや外付けドライブなど)の検索は非常に遅くなります。また、ファイル内容(全文検索)も行うため、処理が重くなりがちです。
Everything NTFSのMFTを直接読み取る
Everythingは、NTFSファイルシステムが保持している「MFT(Master File Table)」という管理テーブルを直接読み取ってインデックスを作成します。MFTには全ファイルの名前・場所・サイズなどの情報が記録されているため、OSのインデックスサービスを介さずに、一瞬でファイル一覧を取得できます。
その結果、ローカルHDDではインデックス作成がほぼ瞬時(約12万ファイルで1秒未満)で完了し、検索も入力と同時に結果が表示されます。ある比較では、Windows標準の検索が1時間かかった検索を、Everythingは0.1秒以下で完了したという報告もあります(約1000倍の差)。
どちらが優れているのか 比較表
| 項目 | Everything | Windows標準検索 |
|---|---|---|
| 検索速度 | 圧倒的に速い(入力と同時に結果) | 遅い(インデックス未作成箇所は特に遅い) |
| インデックス作成 | 瞬時(MFT直接読み取り) | 時間がかかる(場所によっては未作成) |
| 検索対象 | ファイル名・フォルダ名のみ | ファイル名+ファイル内容(全文検索) |
| リソース消費 | 極めて軽量 | インデックス作成時に負荷がかかる |
| 共有フォルダ検索 | 設定で追加可能 | インデックス化すれば可能だが遅い |
| 正規表現・演算子検索 | 対応(高度な検索が可能) | 限定的 |
| 価格 | 無料(フリーウェア) | OS標準(無料) |
結論としては、「ファイル名で探す」用途ならEverythingが圧倒的に優れています。Windows標準検索の優位点は「ファイル内容の全文検索ができる」ことですが、図面や仕様書をファイル名で管理している現場では、Everythingの方が使い勝手がはるかに良いでしょう。
共有サーバー・HDDからの検索 現場での活用法
ローカルHDD・外付けHDD(NTFS)での検索
Windows 11のローカルHDD(NTFSフォーマット)は、Everythingの最も得意とする領域です。図面ファイル、仕様書、プログラムが大量に散らばっていても、ファイル名を数文字入力するだけで即座にヒットします。
共有サーバー(ネットワークドライブ)での検索
共有サーバー上のファイルを検索したい場合は、Everythingの「検索データ」から「フォルダ」に共有フォルダを追加します。フォルダ参照画面に共有フォルダが表示されない場合は、パス(例:\\server\共有名)を直接入力すると追加できます。
ただし注意点があります。ネットワークドライブのインデックス作成は、NTFSフォーマットのローカルドライブと異なり、Windows標準検索と同じ手法でファイルを読み取るため、インデックス作成に時間がかかります。初回のインデックス作成にはかなりの時間がかかることを想定しておきましょう。
また、複数人が同じ共有フォルダをEverythingで検索すると、それぞれがインデックスを作成するため、ファイルサーバーやネットワークに余計な負荷がかかります。ファイルリスト(.efu)を共有する方法を使えば、この負荷を抑えられます。
ETP/FTPサーバ機能 ネットワーク上のPCを検索
EverythingにはETP/FTPサーバ機能が内蔵されています。検索対象のPC(サーバ側)と検索するPC(クライアント側)の両方にEverythingをインストールすれば、ネットワーク経由でファイル名だけを高速に検索できます。共有フォルダの設定が難しい環境で有効です。
使い方の基本
Everythingの操作は非常にシンプルです。検索ボックスにキーワードを入力するだけで、リアルタイムに結果が表示されます。
- AND検索:複数キーワードを半角スペースで区切る(例:図面 金型)
- OR検索:|(バーティカルライン)で区切る(例:図面|仕様書)
- NOT検索:!(エクスクラメーションマーク)を付ける(例:図面 !旧)
- 正規表現:regex: を付けると正規表現検索が可能(例:regex:J:\\.lnk)
- パス指定:d:\ と入力するとDドライブ内に絞り込み
設定で「バックグラウンドで実行」を有効にしておくと、ウィンドウを閉じてもタスクトレイに常駐し、次回起動時に即座に検索できます。
インストール方法
1. voidtools公式サイト(voidtools.com)にアクセスします。
2. 最新版のEverythingをダウンロードします(安定版1.4系または1.5系)。
3. インストーラ版を実行し、セットアップウィザードに従います。
4. 起動すると自動的にNTFSボリュームのインデックスが作成されます(通常は数秒で完了)。
ポータブル版(ZIP形式)も用意されており、インストール不要でUSBメモリから実行可能です。
まとめ
Windows 11で大量の図面ファイル・仕様書・プログラムを共有サーバーやHDDから探すなら、Everythingは必須のツールです。
- Windows標準検索より約1000倍速い(MFT直接読み取り方式)
- ファイル名検索に特化しており、シンプルで使いやすい
- 共有フォルダも設定で検索可能(NTFS以外はインデックスに時間がかかる点に注意)
- 無料(フリーウェア)で、個人・商用ともに利用可能
一度使うとWindows標準の検索には戻れなくなる、まさに必須のツールです。まずはインストールして、普段探しているファイルを検索してみてください。その速さに驚くはずです。


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