LM Studio セットアップ手順書:WindowsでローカルLLMを使うまで
Windows PC上で大規模言語モデル(LLM)を動作させるアプリケーション「LM Studio」のセットアップ手順を説明します。社外秘の技術情報や設備データを扱う製造現場において、データを外部に送出することなくAIを利用できる環境を構築できます。
この手順書では、ソフトウェアの概要、ダウンロード、インストール、モデルのダウンロード、サーバー設定、LM Linkによるリモート接続までを順に解説します。
1. ソフトウェアの概要
LM Studioは、以下の機能を提供する無料のアプリケーションです。
- ローカルPC上でのLLMの実行
- Hugging Faceからのモデルの直接ダウンロード
- OpenAI互換のAPIサーバー機能
- LM Linkによる他デバイスからのリモートアクセス
対応OSはWindows 10 / 11(64bit)です。推奨メモリは16GB以上、GPUは必須ではありませんが、NVIDIA GPU(CUDA対応)を搭載している場合、生成速度が劇的に向上します。
2. ダウンロード
以下の手順でインストーラを入手します。
1. 公式サイト(https://lmstudio.ai/)にアクセスする。
2. ページ中央の「Download for Windows 0.4.18」ボタンをクリックする。
3. ダウンロードが開始される。ファイルサイズは約200MB。
ユーザー登録や支払いは不要です。
3. インストール
1. ダウンロードしたインストーラ(.exe)をダブルクリックして起動する。
2. インストール先フォルダを指定する(デフォルトのまま推奨)。
3. インストールが完了したら、デスクトップまたはスタートメニューからLM Studioを起動する。
4. 初回起動時、内部エンジン(llama.cppランタイム)のセットアップが自動実行される。画面下部の進捗バーが完了するまで待つ(通常1〜2分)。
4. モデルのダウンロード
AIを動作させるには、モデルと呼ばれる重みデータが必要です。LM Studioは、Hugging Faceからモデルを直接ダウンロードする機能を内蔵しています。
4.1. Discoverタブを開く
画面上部の「Discover」タブをクリックします(ショートカットキー: Ctrl + 2)。
4.2. モデルを検索する
検索バーにモデル名を入力します。日本語で使用しやすいモデルの一例を以下に示します。
- Qwen2.5-7B-Instruct-GGUF : 7Bパラメータ、日本語回答が高品質
- DeepSeek-R1-Distill-Qwen-7B-GGUF : 推論能力に優れる
- karakuri-8x7B-GGUF : 日本語特化モデル
4.3. 量子化を選択する
同じモデルに対して複数のファイルが表示されます。これは量子化(quantization)と呼ばれる圧縮方式の違いです。Qの後の数値が大きいほど高品質ですが、ファイルサイズも大きくなります。
| 種類 | サイズ目安(7Bモデル) | 品質 |
| Q4_K_M | 約4.5GB | 推奨。品質と速度のバランスが良い |
| Q5_K_M | 約5.5GB | 高品質。メモリに余裕があればこちら |
| Q8_0 | 約8GB | ほぼ無劣化。16GB以上のVRAM推奨 |
初めての場合はQ4_K_Mを選択してください。
4.4. ダウンロードを実行する
対象ファイルのダウンロードボタンをクリックします。進行状況は「My Models」タブで確認できます。ダウンロード完了後、左サイドバーのモデル一覧から選択可能になります。
5. サーバーの設定
LM StudioのAPIサーバー機能を使用すると、他のアプリケーションやプログラムからAIを呼び出せるようになります。
5.1. サーバーの起動
1. 画面上部の「Developer」タブを開く。
2. 「Start server」スイッチをオンにする。
3. ステータスが「Running」になれば起動完了。
5.2. 接続先
サーバー起動後、以下のエンドポイントが利用可能になります。
- APIベースURL : http://localhost:1234/v1
- 互換性 : OpenAI APIと互換
このAPIは、curlやPythonのopenaiライブラリなどから呼び出すことができます。
5.3. 動作確認
ブラウザで http://localhost:1234/v1/models にアクセスしてください。ロード中のモデル一覧がJSON形式で表示されれば正常に動作しています。
5.4. 注意点
- サーバー起動前に、使用するモデルをチャット画面でロードしておく必要があります。
- LM Studioのウィンドウを閉じるとサーバーも停止します。常時稼働させる場合は、アプリを最小化してください。
- 同一LAN上の他PCからアクセスする場合は、Developerタブの「Serve on Local Network」にチェックを入れます。インターネット公開は推奨しません。
5.5. 動作確認(curl)
設定後に実際に動作するか、curlで確認できます。
curl http://localhost:1234/v1/chat/completions \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{
"model": "qwen2.5-7b-instruct",
"messages": [{"role": "user", "content": "こんにちは"}]
}'
JSON形式のレスポンスが返ってくれば設定完了です。
6. LM Linkによるリモート接続(オプション)
LM Linkは、外出先や別の部屋から自宅やオフィスのPCに搭載したローカルLLMにアクセスするための機能です。通信にはTailscale VPNが使用され、エンドツーエンドで暗号化されます。
6.1. 前提条件
- LM StudioがインストールされたWindows PC(ホスト側)
- アクセス元のデバイス(別のPCまたはiPhone)
- LM Studioのアカウント(https://lmstudio.ai で作成)
6.2. 設定手順(ホスト側)
1. LM Studioを起動し、モデルをロードする。
2. 画面上部のメニューから「LM Link」を開く。
3. 画面上の指示に従い、LM Studioアカウントでログインする。
4. 「Enable LM Link」をオンにする。
6.3. アクセス方法(クライアント側)
別のPCからアクセスする場合、そのPCにもLM Studioをインストールし、同じアカウントでログインした上でLM Linkを有効にします。すると、ホスト側のモデルがクライアント側のLM Studioから参照できるようになります。
iPhoneからアクセスする場合は、「Locally AI」アプリ(App Storeから入手)をインストールし、同じアカウントでログインします。
6.4. 用途
- 高性能なデスクトップPCで大きなモデル(13B〜70B)を実行し、ノートPCから呼び出す。
- 外出先のiPhoneからオフィスのPC上のAIを利用する。
- チーム内で1台のGPUサーバーを共有する。
7. 出典
- LM Studio公式サイト: https://lmstudio.ai/
- LM Studio Developer Docs: https://lmstudio.ai/docs
- LM Studio LM Link解説(GIGAZINE): https://gigazine.net/gsc_news/en/20260605-lm-studio-lm-link-locally/
- Hugging Face: https://huggingface.co/

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